男心と女心 織田隼人著: 恋の法則
とある男性に言わせれば、「恋愛は無駄だらけ」だそうです。
この「無駄」のおかげで、一部の男性や女性に対して恋愛を『不条理なもの』という感覚を植え付けてしまっています。
この「無駄」の本質はどこにあるのでしょうか?
理系の人や経済学部・法学部の男性の中には、恋愛における「無駄」に対して「不条理だ!」と感じている人が多くいます。
今回は、そういう「不条理」を感じたことのある人にオススメの話です。
■無駄な世界?
恋愛は、『経済学的』や『論理的』に見ると無駄だらけです。
▽ちょっと豪勢なデート。
もし、結婚後に家を買うのであれば、この時の消費が足を引っ張るに違いありません。
▽タバコを吸う男性を格好良く感じる
タバコは健康を害するものです。なのに、タバコを吸う男性を格好良く感じる女性が少なからずいます。
(ちなみに、そんな女性でもタバコの煙は嫌いな人が多いです)
▽高い車に乗っていると気持ちよくなる
車の乗り心地も、少しは変わってきますが、気持ちの良さは車の乗り心地以上に良くなります。
男性にも女性にも、カッコイイ車にあこがれる人は結構います。
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こういったことに、「おかしい」と感じている人は結構います。
理屈で考えると確かにおかしいです。
車なんて、機能的に言えば「すごく乗り心地が悪いのでなければ、走れば十分」なはずですから。(注1)
■砂漠での出来事
ちょっと話は変わります。
砂漠に住む「ガゼル」という種類の鹿のお話です。
ガゼルの天敵はオオカミ。
体力のないガゼルは、オオカミを見つけるとすぐに隠れます。
自分が見つからないように。
ところが、強いガゼルは不思議な行動をとります。
なんと、オオカミの方向を向いて「高くジャンプ」をするのです。
一見すると、無駄な行為のように見えます。
わざわざ自分の居場所をオオカミに教えているのです。
しかし、この無駄そうな行為にも意味があります。
元気なガゼルは、自分から大きく飛び上がり、「俺、逃げ切れる自信があるぜ」とオオカミに伝えているのです。
オオカミさんも賢いもので、元気なガゼル君を追いかけることはしません。
ガゼルは最初に大きく飛び上がることで後から逃げる労力を削減し、オオカミも逃げられそうな相手を追いかけないことで、お互いに無駄を減らしているのです。
■クジャクの羽は?
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雄のクジャクにはキレイな羽があります。
この羽があることで、雄のクジャクは自由に動きにくくなります。
まあ、誰が見ても邪魔なくらい大きいですもんね。
この雄クジャクのキレイな羽が雌クジャクへのアピールポイントになります。
なぜ、雌クジャクへのアピールになるのかが、学者の間では問題になっていました。
「邪魔な羽があるってことは、遺伝的にマイナスの影響があるんじゃないの?」ということらしいです。
ところが、ある考え方を取り入れると、すんなりと納得がいきます。
「雄クジャクは、邪魔な羽を持っている。この邪魔な羽を傷つけることなく育つことができるのは、優秀なクジャクに違いない。なので、雌クジャクは羽がキレイな雄クジャクに惹かれる」
無駄に思えるクジャクの羽は、雄クジャクの強さを示す1つの印になっているのです。
「おれ、こんなに邪魔なものを持っているけど、元気にやっていけるだけの能力はあるんだぜ」と雄クジャクは雌クジャクに伝えているのです。
■無駄が優秀な証
こういった、一見すると『無駄』なことをすることが生物には多くあります。
しかし、その裏側には、自分の優秀さを示す行為をしていることになるのです。
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なぜなら、「無駄」があることによって、力を示すことができるからです。
無駄という「ハンディキャップ」を背負っても、やっていけるということが、自分の優秀さを示すことにつながるのです。
経済的に見ると、車なんて走れば同じ。
特に燃費の悪い車なんて買う意味が(経済的に見ると)ありません。
ところが、そういった高級な自動車に惹かれる人は多くいます。
■恋愛は「無駄」の投資によって価値が生まれる
恋愛は、生物的な本能が大きく出てくるのが特徴です。
経済性よりも、ハンディキャップの理論が優先されるのが恋愛なのです。
特に男性に認識しておいてもらいたいのは、最初に無駄と思われる投資をやっておくことです。
別に高級車に乗ろうとかそういうことではなく、好きな人に対して自分の財産(時間も財産の1つです)を無駄になるかもしれないとわかりつつ投資できるかどうかが大切なのです。
好みのタイプの女性が目の前に現れると、男性は本能のレベルで「良いところを見せたい」と感じると思います。
その感じた心を大切にしてみてください。
理性で「でも、もしかすると無駄になるかも」と思う気持ちもあるかと思います。
この「無駄」があるからこそ、愛情という感覚的なものが伝わるのです。(注2)
理性は「無駄になるかどうか」ではなくて「この女性は危険かどうか」という判定に使うようにしてみてください。
一見無駄に思われるようなものも、実は無駄ではなかったのです。
(注1)もちろん、「自分のため」とか「楽しいから」ということで、実際は無駄ではありません。あくまで、「経済的」とかそういった話です。
(注2)割り勘を嫌う女性も結構いらっしゃいます(割り勘OKな人もいますが)。それも、「無駄」を感じさせる要素が消えるからです。
イラスト:ムラクモ
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